【2022年版】住宅ローンの固定金利が上昇傾向の理由

2022年に入り、2月、3月における住宅ローンの固定金利は、相次いで上昇しています。

では、なぜ変動金利ではなく、固定金利が上昇傾向にあるのでしょうか?

今回はその理由を中心に、住宅ローンユーザーの動向や固定金利、変動金利それぞれのメリット・デメリットなどについて解説したいと思います。

【最新】住宅ローンユーザーの動向

2022年2月、住宅ローンの2月固定金利が各社メガバンクなどで上昇し、大きく報道されました。

このような状況の中、固定金利で住宅ローンを借り入れたり、変動金利から固定金利に乗り換えたりする住宅ローンユーザーが増加している傾向にあります。

こちらは、固定金利上昇の報道を受け、「今後変動金利も上昇してしまうのでは?」というユーザーの心理が働いたものとみられます。

【2022年版】住宅ローンの固定金利はなぜ上昇傾向なのか?

現在住宅ローンの固定金利が上昇している理由としては、米欧の中央銀行における金融引き締めが挙げられます。

米欧の中央銀行は、インフレ加速を背景とし、金融緩和から金融引き締めへとシフトしています。

また、米国では2022年3月の利上げが濃厚となったことから、米長期金利が上昇し、日本の住宅ローンもその影響を受ける形になりました。

住宅ローンの固定金利は、金融市場における長期金利の動向に大きく影響されます。

こちらは、金融機関が市場の長期金利で資金を調達し、それに経費と利益を乗せ、住宅ローンの固定金利を決定していることが理由です。

【2022年版】なぜ住宅ローンの変動金利ではなく、固定金利が上昇するのか?

住宅ローンの固定金利が米欧の金融引き締めに伴い、ジワジワと上昇しているのに対し、変動金利は過去最低水準のままです。

では、日本の民間金融機関において、なぜ変動金利は上昇せず、固定金利のみが上昇するのでしょうか?

その理由は、変動金利の特性にあります。

変動金利は、当然政策金利の影響を受けますが、限定的変動金利の基準金利は短期プライムレートであり、いわば固定金利とは真逆です。

また、金融機関側からすれば、固定金利は契約で決まった固定期間、金利を上昇させることができません。

そのため、今後金利が上がりそうだという予想があれば早いタイミングで織り込んでおなないと、金融機関は大損をする可能性があります。

一方、変動金利は毎月または6ヶ月毎に金利を変更できるため、今後金利が上昇しそうだという報道があっても、焦ってそれを織り込む必要はありません。

つまり、変動金利はいつでも金利を上げることができることから、現時点では固定金利のみが上昇傾向にあるということです。

固定金利、変動金利それぞれのメリット・デメリット

固定金利の上昇に伴い、変動金利から借り替えたり、新規で固定金利の住宅ローンを契約したりする方は多いかと思いますが、それぞれのメリット・デメリットはきちんと把握しておきましょう。

固定金利は、返済計画が立てやすく、ある程度金利の上昇を気にせずに利用できるのがメリットですが、変動金利に比べてもともとの金利が高いところがデメリットです。

一方、変動金利は、固定金利に比べてもともとの金利が低いものの、今後の市場動向によっては返済額が増加し、従来の返済計画にズレが生じる可能性があります。

ちなみに、金利の動きが誰にも予測できない以上、どちらのタイプが得かについては正解がありません。

まとめ

ここまで、2022年の住宅ローンにおける固定金利が上昇傾向にある理由を中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

固定金利は、基本的に変動金利よりも先に上昇するため、現在の状況は決して不自然ではありません。

また、今後の金利上昇をおそれ、変動金利から固定金利に借り換えようとする場合は、それぞれが持つ本来のメリット・デメリットもきちんと比較しましょう。

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