不動産購入をした方の確認申告における控除・特例~2021年版~

不動産購入をした方、中でも住宅ローンを利用してマイホームを取得した方は、確定申告を行うべきです。
なぜなら、住宅ローン控除の対象になる可能性があるからです。
今回は、例年と少し変わった内容も併せて、不動産購入をした方の確定申告における控除・特例2021年版について解説します。

住宅ローン控除の概要

一戸建てやマンションといったマイホームを、一定の条件のもと組んだ住宅ローンで購入した場合、年末のローン残高に応じて所得税が返戻される仕組みを“住宅ローン控除”といいます。
また、返戻される金額が所得税額を超えた場合は、その差額の一定金額までには、翌年の住民税から差し引かれます。
つまり、所得税と住民税の両方が安くなる可能性があるため、条件に当てはまる方は、必ず確定申告をしなければいけません。

住宅ローン控除適用の条件は?

住宅ローン控除は、条件をクリアしている方に適用されます。
新築物件を購入するのか、中古物件を購入するのかによって条件が変わってくるため、この機会に覚えておきましょう。

新築物件の場合

新築物件を住宅ローンで購入する場合、以下の条件を満たせば、住宅ローン控除が適用されます。

・新築日あるいは取得日から6ヶ月以内に入居すること
・控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
・住宅ローンの返済期間が10年以上であること
・住宅の登記上の床面積が50㎡以上であること
・床面積の1/2以上が居住用であること
・入居した年とその前後2年間に、3,000万円特別控除などを受けていないこと

中古物件の場合

中古物件の購入時は、前述した新築物件における条件プラス、以下の条件をクリアしなければ、住宅ローン控除の対象にはなりません。

・マンションなどの耐火建築物は、取得時で築25年以内であること
・耐火建築物以外の場合は、取得時で築20年以内であること
・上記以外の建築物の場合は、一定の耐震基準をクリアしていること
・親族から購入した物件、贈与を受けた物件ではないこと

2021年は住宅ローン控除における特例があります

不動産を購入した方が、確定申告をすることで受けられる住宅ローン控除ですが、2021年はこの制度に特例があります。
先ほど、住宅ローン控除を受ける条件として、“新築日あるいは取得日から6ヶ月以内に入居すること”という条件を紹介しました。
本来であれば、これを満たさなければ住宅ローン控除は受けられないのですが、2021年はコロナの影響で入居が遅れた方に対し、特例が設けられています。

特例の内容について

住宅ローンを利用して不動産を購入し、確定申告を2021年に行う予定の方の中でも、コロナの影響により工事が遅れ、半年以内に入居できなかった方は、以下のように条件が緩和されます。

・新築日あるいは取得日から6ヶ月以内に入居すること⇒増改築等の完了日から6ヶ月以内に入居すること

上記に当てはまる方が確定申告をする場合は、契約時期などを確認する書類、入居が遅れたことを証明する書類などを作成し、税務署に提出しなければいけません。
また、消費税率が8%から10%に上がったことを受けて、住宅ローン控除の控除期間は10年から13年に延長されましたが、この措置を受けるための要件には、“2020年12月31日までに入居しなければいけない”というものがあります。
こちらに関しても、コロナの影響で住宅の工事が進まず、2020年12月31日までに入居できなかった場合は、一定の条件を満たすことで、2021年12月31日までの入居でもOKとなります。

まとめ

ここまで、不動産購入をした方の確定申告における控除・特例2021年版について解説しました。
昨年不動産を購入し、確定申告をしなければいけない方にとって、2021年はかなり変則的な年だと言えますし、今後も前述のような特例はなかなか設けられないでしょう。
ただ、条件をクリアすれば、住宅ローン控除の特例措置は受けられるため、忘れずに実施してください。

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