更地にすると固定資産税は何倍?未納の場合のペナルティは?

「更地は固定資産税の負担が大きい」
このような話を聞いたことがある方は、決して少なくないでしょう。
では、所有する建物を取り壊し、更地にすると、一体固定資産税は何倍になるのでしょうか?
また、未納の場合はどのようなペナルティを受けるのでしょうか?
今回はこれらの点を中心に解説します。

更地にすると固定資産税は何倍になるのか?

所有する建物を解体して更地すると、固定資産税は一気に6倍にまで跳ね上がります。
もちろん、建物はなくなるため、それにかかる固定資産税自体はなくなりますが、建物+土地よりも、土地のみの方が固定資産税の負担は大きくなるため、覚えておきましょう。
また、都市計画税の対象になっている土地の場合は、更地にすることでさらに税負担は大きくなります。
ちなみに、更地にすると固定資産税が何倍にも増加する理由は、住宅用地の特例を受け、割り引くという選択肢がなくなってしまうからです。
つまり、“更地にすると固定資産税が何倍にもなる”という表現よりも、“更地にすると固定資産税が安くならない”、“更地にすると通常の税率に戻る”という表現の方が正しいと言えます。

更地の固定資産税、未納のペナルティは?

更地にし、固定資産税が一気に6倍になると、経済的な負担が増え、支払いが難しくなる方もいるでしょう。
ただ、未納の場合は当然ペナルティが発生するため、そのまま支払わずに放置するのは良くありません。
具体的には、段階的に以下のようなペナルティを受けることになります。

・延滞金の発生
・督促、催告
・財産調査
・差し押さえ

延滞金の発生

更地の固定資産税を支払わないでいると、まず延滞金が発生します。
金額は、各自治体が定めたルールに則って決定されます。
それほど利率が大きいものではありませんが、場合によっては延滞金だけで年数万~数十万円になることも考えられるため、注意しましょう。

督促、催告

納付期限から20日経過しても未納の場合は、役所から督促状が届きます。
また、これを無視すると、今度はより重要度の高い催告状が内容証明郵便で届きます。
催告状は、「本当にこれで最後ですよ」という支払い納期を伝えるためのものであり、これを過ぎると差し押さえの準備が始まります。

財産調査

催告状をも無視した場合、給与や預貯金、株式や不動産、貴金属などの財産調査が行われます。
これは、差し押さえの際、上記の財産をスムーズに回収するための準備です。

差し押さえ

財産調査完了の時点で、固定資産税の納付が確認されない場合は、差し押さえが実行されます。
前述したような財産、つまり換金可能な財産を持つ方は、それらをすべて没収されてしまいます。

更地にすることのデメリットについて

建物を取り壊し更地にすると、固定資産税は何倍にも膨れ上がりますが、これ以外にも更地にすることによるデメリットはあります。
まず、更地にする際には、当然ながら高額な取り壊し費用がかかります。
具体的には、100~300万円程度かかることも多いため、留意しておきましょう。
また、土地の状況によっては、更地にすることで今後建物を建てられなくなる可能性もあるため、安易に解体するのは良くありません。
これは、“再建築不可”というもので、前面道路が建築基準法上の道路でなかったり、敷地が前面道路に2m以上接していなかったりする場合に、今ある建物を解体した後の再建築を原則禁止するルールを指します。

まとめ

ここまで、更地にすると固定資産税は何倍になるのか、未納の場合のペナルティにはどのようなものがあるのかについて解説しましたが、いかがでしたか?
売却の際、ターゲットの幅を広げるため、古い建物を取り壊し、更地にして売り出そうとする方もいます。
ただ、この場合、売買が成立するまでの間は税負担が大きくなることを忘れてはいけません。

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