相続税の支払タイミングや負担する人物について解説します

不動産を含む財産の相続が行われると、相続税が発生します。
相続財産の金額が低ければ、発生しないこともありますが、税制改正後は支払うケースが増加しています。
今回は、相続税の支払タイミングについて、相続税を負担する人物は誰なのかについて、詳しく解説したいと思います。

相続税の支払タイミング

今後不動産等の財産を相続する可能性がある方は、相続税の支払タイミングについて、できる限り早めに把握しておいた方が良いでしょう。
相続税は、被相続人が亡くなった翌日から10ヶ月を経過するまでのタイミングで支払わなければいけません。
数字だけ見ると、それほど短い期間というわけではありませんが、相続開始後の10ヶ月は、皆さんが想像しているよりもはるかに短く感じるものです。
被相続人が亡くなってからしばらくの間は、精神的なダメージも大きいでしょうし、相続人同士で財産の分け方について協議する必要もあるため、気づいたらもう期限が迫っていたということも十分あり得ます。
よって、「10ヶ月もあるから大丈夫」と支払いを先延ばしにするようなことは控えましょう。

相続税の支払タイミングを過ぎた場合

本来の相続税の支払タイミングを過ぎてしまうと、その翌日から“延滞税”の対象になってしまいます。
こちらは、支払いが遅れたことに対するペナルティであり、期間によって以下の割合で課税されます。

・最初の2ヶ月:年2.5%
・2ヶ月以降:年8.8%
※いずれも令和3年1月1日~令和3年12月31日までの割合

ちなみに、計算した延滞税の金額に100円未満の端数がある場合は、こちらを切り捨てて納付することになります。

相続税を負担する人物

相続税を負担するのは、不動産含む財産を被相続人から引き継いだ人物です。
また、こちらは必ずしも、配偶者や子どもなどの親族が該当するとは限りません。
具体的には、以下の人物が該当します。

・法定相続人(配偶者、子ども、父母、兄弟姉妹、代襲相続人)
・受遺者:法定相続人以外の親族で、遺言により財産を引き継いだ方(法定相続人以外の兄弟姉妹、子どもの配偶者、代襲相続人以外の孫・曾孫・甥姪、友人など)
・特別縁故者:相続人が不在の場合に、特別縁故者として財産を引き継いだ方
・特別寄与者:法定相続人以外の親族で、特別寄与者として財産を引き継いだ方

ちなみに、“特別縁故者”とは、生前被相続人の世話をしていたなど、関係が親密であった人物を指しています。
また、平成31年度の相続法改正により、相続人以外の親族が被相続人の財産の維持、増加に寄与した場合には、相続人に対して“特別寄与料”という金銭が請求できるようになりました。
このとき、特別寄与料を請求できる人物のことを“特別寄与者”といいます。

相続税の支払方法

相続税の支払方法には、以下の4つがあります。

①金融機関の窓口で支払う
②クレジットカードで支払う
③コンビニで支払う
④税務署の窓口で支払う

もっとも一般的なのは、最寄りの銀行や郵便局に納付書を提示して支払う①の方法です。
②の方法で支払う場合、原則24時間いつでも支払いが可能ですが、領収証書の発行はありません。
また、③は税務署に発行してもらったバーコード付納付書を使用して支払う方法であり、④は現金と納付書を持って、直接税務署の窓口に納税するという方法です。
ただし、④の方法で支払うには、高額な現金を銀行等でおろして持っていかなければいけません。

まとめ

ここまで、相続税の支払タイミングや税負担をする人物、支払い方法などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
相続が発生したら、まず相続税の負担があるのかどうかを確認し、その後期限のチェック、支払い方法の決定などを行いましょう。
間違っても、支払いを怠り、延滞税によって税負担を増加させてしまわないようにしてください。

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